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*東京入国管理局等の入国管理局について

ここでは、東京入国管理局、大阪入国管理局、名古屋入国管理局等の入国管理局一般を、外国人雇用の視点で解説致します。

Q:入国管理局は、どのような行政でしょうか。
A:入国管理局は、法務省の出入国管理行政を行うための組織で、法務省入国管理局が中心となり、地方支局が事務を分掌しています。地方支局には、現在、札幌入国管理局、仙台入国管理局、東京入国管理局、名古屋入国管理局、大阪入国管理局、広島入国管理局、高松入国管理局、福岡入国管理局があります。そのほか、収容施設として、入国者収容所の入国管理センターの東日本入国管理センター、西日本入国管理センター、大村入国管理センターがあります。
 したがって、同じ「入国管理局」といっても、霞が関の中央省庁の「入国管理局」と地方支局の「入国管理局」の二種類があることに注意が必要です。このことは、企業が外国人雇用をする場合にいかなる手続、いかなる請願を行うかに関わります。
 以下では、企業が外国人雇用を行ううえで、圧倒的に利用頻度が高いと思われる東京入国管理局の場合を中心に解説致しますが、内容的には他の地方支局にも当てはまります。

Q:東京入国管理局等の利用上の注意点は何でしょうか。
A:東京入国管理局に限らないことですが、外国人雇用に関わるポイントを指摘してゆくと、「準備」と「申請」と「審査」の全てにおいて非常に時間がかかり、裁判並みです。以下、具体的な事例を交えて申し上げます。

<準備>
たとえば、大手自動車メーカーA社に部品を納入している企業B社が、昨今の景気の変動の結果、大至急、CADエンジニアを多数増員する必要が生じたとします。このような場合、タイムリーに人員を補填しなければなりません。ところが、まず東京入国管理局等に申請するその準備につき、受け入れ側の要件と申請人たる外国人側の要件を吟味したうえで、学歴証明で行くのか、職歴証明で行くのか等を迅速に決定し、外国にいる本人に資料を指示し、送付して頂いたうえで、翻訳や資料調整を行い、申請書、申請理由書、雇用契約書、辞令書、職歴証明書、卒業証明書、旅券の写し、資料の翻訳のほか、資料追加請求の来ないように大卒でも学位証明の有無に留意し、あるいは、職歴証明でも高校卒業の証明書を取り付ける等の資料の準備にも注意を払い、加えて、多人数の同時申請のときは、東京入国管理局等で一括処理されて、遅滞しないように敢えて分離申請したり、仮に同時申請する場合は、返信用封筒の数に注意しつつ、添え状で分離決裁を請願したり、不許可にされないよう、履歴書の記載事項に過失で記入ミスが無いか、過去に出入国歴のある申請人については、当時の在留状況はどうだったのか、履歴書の内容と整合性はあるのか、旅券の記載はどうか、等々も検討が必要です。

<申請>
 次に申請ですが、たとえば、以下のような事例を紹介できます。
大手機械メーカーC社の人事部担当社員のDさんは、ある日、ようやく揃った資料を持って、午前10時に会社を出て、東京入国管理局に向かいました。事前に調べてはいたものの、初めて来る品川駅港南口でバスを探し、そのバスに乗ること約15分、午前11時前には東京入国管理局に付きました。Dさんは「何でこんな不便なところにあるのだろう。」と思いつつ、刑務所のような装いの庁舎に入りました。初めて来たDさんは「これは随分大きなところだな。」と驚きましたが、東京入国管理局の申請窓口のある2階に上がると、見渡す限り人がいます。整理番号を発券する機械が隅っこに置いてあるのに気付いたので、整理券を引きました。その番号を見ると、現在の処理番号から200番以上先です。Dさんは順番はすぐ来るだろうと思い、午前中に東京入国管理局から帰るつもりで、会社での予定を立てていました。ところが、お昼間際になっても、順番はほとんど動いていません。そのうえ、お昼になり、受付窓口の大半はシャッターが下りて受付中止になってしまいました。不安になったDさんは、お昼で引き揚げようとしている東京入国管理局の窓口の職員をつかまえ、いつ頃に受付されるのか、聞いてみました。すると、「今日中には受け付けされます。」、との回答です。さらにDさんは、万が一書類が足りなかったら、また来ることになるから大変なので、ちょっと先に見てもらえないかと聞いてみたところ、「順番待ちですので、申請の際に拝見します。」との回答です。
 やむなくDさんは、お昼休みを取ることにしました。もっとも、東京入国管理局は港湾の倉庫街のため、近くには食べるお店もほとんどありません。そして、会社には戻るのは遅れるとの連絡を入れ、午後になりました。Dさんは、受付窓口の前で延々と待ちましたが、とうとうその日は自分の順番になったのは3時ころでした。Dさんは、事前に東京入国管理局の「インフォメーションセンター」で聞いて確認してから資料を揃えたので、たぶん大丈夫だろうと思っていました。ところが、東京入国管理局の受付の際、資料をみた職員は、「この申請人の方は●●ですから○○○と□□が必要です。」とし、揃えたうえで、来て欲しいとの回答です。Dさんは「(東京入国管理局の)インフォメーションセンターではそういうことは言っていませんでしたが?」と申し向けたところ、「そうですか。これは必要になっていますが。」との回答で要領を得ません。Dさんは、「どういうことか。」と思いましたが、あとから聞いた話で、インフォメーションセンターは東京入国管理局そのものではないので、インフォメーションセンターの回答と2階の東京入国管理局職員の回答が食い違うことは、有名な話だと聞かされました。結局、Dさんは日が暮れるころに東京入国管理局を出て、また入管に来ることになってしまいました。

<審査>
 次に審査ですが、たとえば、以下のような事例を紹介できます。
上記の大手機械メーカーC社の人事部担当社員のDさんは、何度も東京入国管理局に足を運び、ようやく申請が受理されました。その間も刻々と時間が過ぎ、会社の現場からは取引先との関係があるから早くして欲しいとの要望が強まってきています。Dさんは申請の際、東京入国管理局の受付職員に「資料の具合はどうでしょうか。」と聞いたものの、受付職員は「ここでは受付するだけで、審査はまだこれからですので。」と回答され、何も見通しを聞くことはできませんでした。また、「いつころ結果は出ますか。」とも聞きましたが、職員は「現在、大変申請が多いですので、1か月から3か月は見て下さい。」との回答です。もっとも、Dさんは、社内の情報で、大手企業の場合は東京入国管理局でも3週間程度で出るらしいとの話を聞いていたので、まさかそこまで遅れることはないだろう、と考えていました。
ところが、3週間経っても、東京入国管理局から全く連絡はなく、1か月も過ぎてしまいました。社内では遅くとも1か月で許可されるとの見通しで現場にも伝えてしまっていたため、人事の予定を変更しなければならなくなりました。Dさんは東京入国管理局に電話してみましたが、10回電話して10回とも話中でつながりません。やむなく、Dさんは東京入国管理局まで直接行き、どうなっているのか、聞いたところ、「現在、大変申請が多いですので、まだ審査中です。」との回答です。あとから聞いた話で、「現在、大変申請が多いですので、まだ審査中です。」とは入管の口癖であると聞かされました。つまり「現在」なのではなく、「いつも」なのです。
申請から40日ほど経ったある日、C社に入管から1通の封筒が届きました。普通郵便で送られていて、危うくDMと間違えて処分するところでした。遂に許可されたかと思い、中身を開くと、「資料提出通知書」と記載されてあり、いくつか書類が足りないので、提出されたし、との内容です。しかもその書類というのは、事前に聞いていたものではなく、聞いたことも無い書類です。頭に来たDさんは、東京入国管理局に電話しましたが、話中でつながりません。そこで、また入管に行きました。かれこれ準備段階から数えれば5回くらい東京入国管理局へ行っています。入管でDさんは「資料が足りないのならなぜもっと早く教えてくれないのですか。」と言ったところ、職員は、「現在、大変申請が多いですので、遅れております。」との回答です。さらにDさんは今回複数人を同時申請していたので、「資料追加請求の対象になっていない他の人の分までなぜ遅れているのですか。」と聞いたところ、東京入国管理局職員は「現在、大変申請が多いですので、遅れております。」との回答です。あとから聞いた話で、入管は同時申請した場合の全件を一括処理したい意向だとのことで、一部の申請人の書類に不備があると、全員が遅れるとのことでした。さらに、Dさんは「なぜこういう書類が必要だと事前に教えてくれないのですか。」と申し向けたところ、東京入国管理局職員は「審査はあくまで個別の判断ですので。」との回答でした。Dさんは渋々と東京入国管理局の行政指導に従わざるを得ませんでしした。ただ、このとき、Dさんは、追加で要求された資料の一つにある学校の卒業年月日と、その申請人の履歴書の卒業年月日が食い違っていることに気付きましたが、「大したことではない。」と思い、そのまま提出しました。
結局、Dさんが「在留資格認定証明書」を東京入国管理局から受け取ったのは、準備を始めてから3か月ほど経過したころでした。しかも申請人一人については、履歴書と卒業証明書の卒業年月日が違うとの理由で「虚偽申請」を根拠に不許可にされてしまいました。あとから確認したところ、海外の子会社のほうで履歴書を作成した際、ワープロを打ち間違えたものと分かりました。Dさんはそんなことで不許可になるとは考えていませんでした。入管に言わせれば、履歴書と卒業証明書のどちらが正しいのか不明であるというわけです。
そして、東京入国管理局から在留資格認定証明書を得てもさらに、在外公館で査証申請を行う必要もあるため、最終的にC社が外国人雇用を実現したころには約4か月かかっており、社内の事情も変わり、一部の申請人は個人の事情も変わり、来ることもできませんでした。

<ポイント>
東京入国管理局等の入管が「審査はあくまで個別の判断」といっても、裁判と同じで、実際にはかなり類型化でき、必要な資料等や見通しを事前に予測することは可能です。上記のDさんにとって必要だったのは、その予測なのです。また、人事担当のDさんにとって必要なのは、不許可の原因にはいかなる事由があるのか、予測することなのです。ちなみに、上記の事例のような審査中に履歴書等にミスがあることに気付いたような場面では、適宜、釈明資料を追完するべき場合が多いです。
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